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りょくの小部屋。*

りょくの好きなことを好きなだけ気ままに

Collar×Malice SS │冴×市(救済√) 4話 (完結)

 はい、こんにちわりょくです。
お世話になっておりますm(__)m

アネモネの花の夢 4話これにて終わりになります
最初に目指してたものは救済√。
ですけど、これが果たして救済√に出来たかは人それぞれです
そんな感じでも良ければご覧いただけたらと思います

私の力ではここまでが限界です。
二人にとって幸せを―。

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きっかけがなににしろ、市香にとって
冴木は、ゆづるは支えだった。
何故、彼が警察官という職を選んだのかは分からない―。


気まぐれだったのかもしれない

適任だったのかもしれない

 

―冴木 弓弦

その名前が偽りの名前だったことも
この世界に彼の本当の戸籍など存在しないということも
この世界のために彼は作られただけの存在だ
戸籍、名前、その当たり前が持つものすべてが彼にはない―。
それが、どれだけ哀しいことなのだろうか、

だが、ゆづるにはその哀しみすらない。


他人の為に哀しみに同調できたとしても

自らの哀しみの感情を捨てるだけ、ないものと切り捨てる
そんな存在だと調べていくうちに知ってしまったのだ

 


それでも信じたかった


警察学校時代から同期で、お調子者で世話焼きやで人の哀しみを理解できた
お酒に弱いくせにすぐ飲みすぎて落ちてしまう、そんな困った所まで含めて
それが、彼女がゆづるに人間として、【ヒト】として、
そして、彼自身に惹かれた理由だった―。

そんなゆづるだから、たとえ今までの事が偽りだったとしても

いつもなんだかんだで話しかけてくれて、
星野なら出来るって、自信持てってその言葉がなにより支えだった。
同期だからってこっちの部署まで遊びに来て、


軽口いって帰っていくのも嫌いではなかった

 

「冴木君、待ってて今、行くから―。」

(「星野、どうだった?おーい、星野?」)
(「冴木、くん・・・どうしよう私―。」)
(「・・・あ、まさか」)
(「う、受かっちゃった、もう自分でもびっくりして固まっちゃったよ」)

(「ちょっ、焦らせんなって落ちたと思っただろう」)


(「ごめんごめん、冴木くんはどうだった?」)
(「俺も受かったよ、ほらこれ合格通知。」)

そうして嬉しそうに笑いながら警察官、国家試験の合格通知を見せる彼
そんな姿を見たら思わず、飛びついてしまった
彼は、びっくりしながらも市香を支えてくれておめでとうをいいあった。

色んな不安もあって、不安だらけの中を
支えてくれたのは誰でもなく、【冴木 弓弦】という人だったんだ

 

 


(「ほーしの!」)

(「うわっ、冴木くんびっくりしたぁー、脅かさないでよー」)
(「わりぃわりぃ、あ、それ旨そうな卵焼き、いっただきまーす!」)
(「自信作だからとっておいたのに、冴木くんのバカ!バカバカ」)
(「うん、確かにこれは旨いな、そんな顔すんなよ、ほらよ」)

(「・・・あ、いちごオレ!!って飲み物でつられると思ったら大間違い―。」)

(「あー、じゃあ先日オープンしたあそこでどうだ
デザートが可愛くて美味いって有名だろ、星野ずっと行きたがってたじゃん」)


(「・・・行く。なんか悔しいんだけど」)
(「あはは、じゃあ決定な!でも太るぞー」)

(「冴木くんは一言多いんだから、もういいよ
冴木くんの欲しがってたCD手に入ったんだけど聞かせてあげないから」)


(「ちょっ、マジ!?あー星野ごめんって!悪かったって
だから俺にそのレアCD貸してくださいお願いします!」)

そんな雑談を話しながら笑っていたゆづる

 


 


(「おーい、星野。そんなとこで寝るな風邪ひくぞー」)
(「んんー・・・」)
(「ったく、いつも頑張り過ぎなんだよお前は、お疲れさん。」)

(「冴木、くん・・・。」)

(「いいから、お前は寝てろ。ったく、無理しすぎ」)

気が付けば、ゆづるの肩に揺られていた
一定のリズムの彼の心臓の音は聞いてて凄く心地よかった
凄く暖かくて安心した

気が付けば、また睡魔が襲ってきてそれからの記憶は曖昧だ

 

だけど、あれも偽りの顔?
「素」を演じてただけであれも偽物のゆづるなのか?


ゆっくり市香は目を開けて思う。
そうして首を横に振ると、今までの考えを自ら否定を示した
今までのことが全てが嘘なんていうわけがない


(―私を、見つけ出して下さい。星野市香さん。)

 


そう彼は市香にはっきりいった
皆がいる場所ではなく、市香一人になったタイミングで彼女に告げた。
その意味を市香は必至で考えていた

どうして、自分に首輪を【彼】は嵌めたのか?

何故、彼は市香を選んだのか?
だが、よく考えてみればその理由は明確だった

 

今日この日、Xデーを迎える直前の最終段階であるからだ―。


彼の最終段階は
【哀しみ】自体をこの世の中から【ゼロ】にすること。
それが彼の目的で、アドニスの目的であった
だからこそ、この日に市香を自分の居場所に導く必要があり、
その本当の意味はその言葉のまんま―。

彼女に【哀しみ】を消し去る決断ができるか、だ。

これは彼女、星野市香への最後への実験体の彼女への実験だ。
世間にとっての【哀しみ】の原因は自分だと頭では理解してるのだろう
ただ、それは無意識で決して意識的に言われた言葉ではない


そう、彼の目的は市香に自分を殺してもらうこと。


なんという哀しい願いで歪んだ想いなのだろうか?


だがそれが【冴木弓弦】という作られた人なのだ―。
それを踏み外すことはない、目的の為なら感情を捨ててきた
彼女に自分を殺してもらいたかった、楽にしてもらいたかった

それは確かなのだ。


【ゼロ】として接していく中、些細な変化があったのだ
彼だってヒト、立派な人間とはほど遠いが感情が次第に芽生えていた
当たり前の、日常を非日常と感じる彼へのかすかな希望―。

 

だから、彼のいる場所は始まりの地―。


【新宿苑の教会】

市香が首輪を嵌められた始まりの、きっかけの場所―。
そんな選択をしたゆづるに市香は、彼らしいと思うだけ

もしかしたら殺されるかもしれない
そんな恐怖ももちろんあった
でも、予想よりも全然怖くなかった


やっときちんと向き合える場所がある―。


市香はゆっくり教会の扉に触れ、数秒目を閉じたあと大丈夫だと確信した
そして、決心したように目を開けると教会に足を踏み入れた。
キィーと小さな音を立てて、パタンと音が聞こえるとそこに彼はいた

アネモネの花が散らばった教会に―。

ステンドグラスから除く淡い光に反射され
とても綺麗に見えた


 

「【ゼロ】、いえ・・・冴木くん、あなたに会いに来ました。」
どう言葉をかけようか、
散々悩んだけど口から出たのはそんなありきたりな台詞―。

そんな市香に彼は口元はいつものように笑う

だが、彼はいつもの彼ではない。
その笑顔の裏は決して読み取れない【無表情】を表していた。
言葉になんの感情も籠っていなく、全く真意が分からない
そして、彼はシナリオ通りの言葉を紡ぎだす


「・・・ようこそ、星野市香さん。お待ちしておりましたよ?」


顔はフードで被さっていて見えない。
だが、その声には聞き覚えがあり
その特徴のある口調は【ゼロ】であり、【冴木 弓弦】だった。


「・・・うん。ここにいると思った。良かった貴方がいて―。」
「ふっ、そうですか?私もあなたがきちんとこちらに来ていただいて嬉しい限りです。
でも、あなたはバカだ。何故、そこまで【俺】を信じられる。俺は、テロ組織の人間だぞ」


市香のその言葉で、彼の口調が砕けた口調になる

でも、市香は動じないで、ただ真っ直ぐにゆづるに視線を向けた―。
彼はゆっくりと自身のフードを脱ぎ捨てた
そこにいたのは、やはり彼だったが、先ほどとは少し変わり苦い表情をしていた

 

「私は、信じたかっただけだよ。冴木くんもゼロも、そして貴方も」


「星野はバカだ。そんな考え無駄なことだ。
Xデーを本当に止めたいなら、俺を止めたいなら、俺を殺すことが一番の近道だ。」

そうだ、彼はそれを望んでいる

市香に殺されて、死を遂げることが彼への救いなのか?


「そんな、こと絶対に私はしないよ。あなたを殺してなんの意味があるの?」
「俺が・・・救われるのさ、この哀しみからな。」
「たとえそうでも死んだら意味がない、死んだら何もかも終わってしまう、そんなのは絶対にダメ」
「・・・そういいながら銃を向けてるじゃないか、」

ゆづるの言う通り、市香の手には銃が握られていて
それは彼へと向けていた
だけど、これは殺すためなんかではない、彼を彼自身を救うために撃つんだ
守るために撃つ、そう決めていた―。


たとえ、自分の命が消え去ったとしても、それは揺るぎない決意。

 

「私はあなたを守りたい。だからこそ―。」

「・・・それがお前の【正義】か、」

「それにね、私気づいたんだ。
たとえあなたがテロ組織のトップだとしても、ただの一般市民だとしても、
同期ですぐ酔っぱらった困った冴木くんでも、私はあなたといる時間が大好きだった。
バカみたいに騒いで、笑ったり、お酒飲みすぎてタクシー呼ぶまでが大変だったりした
仕事に失敗したら乱暴に頭を撫でて励ましてくれたりしたからまた頑張ろうと思えた
それがどれだけ支えになっていたか分かる?それでゼロがあなただって気づいた時、
少し驚いたけどなんだか安心したの、だからゼロとの会話は私の楽しみでもあったんだよ?」


「・・・それが偽りの顔だとは思わなかったのかよ。」


「思ったよ、思ったけど全ては否定したくなかった
中には嘘の言葉もあったかもしれない、実験体として近づいてただけかもしれない
でも、私が見てきた冴木くんは冴木くんだもん。
だから冴木くん、ありがt・・・っ!?」

「冴木くん逃げて!!」
「星野!動くな、死ぬぞ!」

その違和感にいち早く気づいたのは市香だった
教会の左右の窓が割れるのと同時によく聞き覚えのある声が聞こえたが
市香の耳には届いてなかった―。

それから少しして銃の発砲音が鳴り響いた


「え?」

それはそれに気付いた市香が彼の目の前に飛び出してきて
それのほとんどが彼女の身体に命中して、

ゆづるの目の前は一瞬で真っ赤になった―。


彼女は知っていたのか、警察が控えてることに気づいてたのか?

いくら警察でもここの居場所の特定は手間はかかるもののついてるだろう
ゆづるは思う、彼女は時間稼ぎの為だけにここに一人で来たのか
違う、ならここで彼の目の前に飛び出す意味が理解できない。

少し前にいった彼女の台詞が彼の中で再生される

 

(「「私はあなたを守りたい。だからこそ―。」」)

俺が殺されると予測して、【守る】ためにここに来た?

 

「星野!!星野!おい、お前が、死んでどうすんだよ!」
「・・・よ、かった。冴木、く、んちゃんと、生きて・・・る?」
「生きてるよ、生きてる!死んでないから、だから市香お前も生きろ!」
「・・・う、ん。」

そこで彼女の意識を失った。


「星野がまさかこんな行動起こすなんてな、息は?」
「まだあります!!」
「急いで病院に運べ!!
「・・・冴木 弓弦、もう終わりだ。殺人未遂および内乱罪で現行逮捕―。」


逃げるつもりはなかった。

自分が犯した罪だ、死んで償うなんて都合のいい考え方―。
だけど、彼女には死んで欲しくなかった、生きて欲しかった
そこで初めてゆづるはこの感情の正体を知る。

 

「あはは、俺は星野が好き、なのか。だから死んで欲しくない・・・」

半分もう抜け殻のような彼に

そこにいた警察官も一瞬動きを止めていた
何故なら血まみれの彼女に触れるだけのキスをしたからだ
彼がいった言葉は本当ならば受け入れないほどの要望だった
だが、受け入れられずにはいられない彼の最期の願いだった


彼の願い、それは―。

 

アドニスのXデー計画は無事阻止され、
そのトップの冴木弓弦も逮捕されたと世間では報道された
まだアドニスの残党が残っていてその始末に追われるものの
新宿区の血塗れたXデー事件は


すべてが【ゼロ】となり、元通りの新宿に戻っていた。

そう世間の発表の表向きはそう報じられた。


アドニスの主犯である彼は病院にいた。
そこには回復したものの、まだ万全じゃない彼女がいた


「おい、市香!少し回復したからってあんま無理すんじゃないぞ?」
「大丈夫だって、それより冴木くん―。」
「なぁ、星野。どうしてあの時俺をかばって銃弾を受けたんだ、あやうくお前が死ぬとこだったんだぞ」
「・・・なんでだろう、守りたかったから。
死んで欲しくなかったから、それだけで頭がいっぱいで気が付いたら飛び出してた」

ゆづるはあの日、彼女の回復まで猶予を与えてくれと警察に頼み込んだ
自分は死刑でも、終身刑でももう逃げるつもりはないと
そう彼女が回復した今、彼はもう行かなくてはならない―。

 

「・・・ほんっと、お前って、バカ。お人よし。人の心配より自分のこと考えろ、このアホ。」

そういって、気が付いたらゆづるは市香を引き寄せてた
その声は涙で震えていて、市香は驚いたがごめんねと返すと背中に手を回した
もう会えないと思ってた人がここにいることがうれしかった

それと同時に分かっていた、ずっとはいられるはずないことも―。


彼は犯罪者だ―。


そして、彼の判決はすでに彼女の耳に入っていた
死刑判決、明日にも執り行われるということを
・・・きっと森丘や峰岸に彼が時間を与えてくれたのだろう

 

「ありがとう、最後まで私を支えてくれて―。」
「どっちの台詞だバカ。」

それから身体を離し、どちらからでもなく口づけを交わした
一度とはいわず、何度も忘れないようにその温かみを感じた。
キスを交わしたあと、彼は切なげにありがとうともう一度告げた。

 

 


「じゃあ、俺もう行くな。」
「うん・・・。」

そう病室のドアが閉まるとその向こう側からよく知る声が聞こえた
誰と言わずとも分かってしまった
捜査一課の森丘と峰岸の声だ、なにを意味してるのか分からない市香ではない。
市香は涙をこらえるようにまだ自由の聞かない体を動かし、ベッドから抜け出す。

ふっと横を見れば、アネモネの白い花が入院花として飾られていた

彼と出会った時に
見た赤いアネモネとは真逆な真っ白で純白な白。


花言葉は・・・始まり。真実。そして、希望。」

 


彼女は窓から警察に連れていかれる彼を見て、今ある精一杯で叫んだ。


「冴木くん、またね!!」
「―っ!おう、またな」

その声が彼らに届いたのか、こちらに振り向き彼は笑った。
最後のゆづるは、作られた笑顔じゃない、笑顔で笑っていた。

それだけで、十分だ―。

 それが彼と彼女の最後となった―。

 

心の底から笑顔を作り、彼らがいなくなったのを確認して
市香は久しぶりに声を出して泣いた。
誰にも止められないほど、
それぐらい涙が枯れると思うぐらいに泣いたあと市香は思う


また会えることを希望に変えながら
青く広がる空を見上げた



 

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言い訳という名のあとがき

とりあえず、こんな形でしか終わらせることが出来なくすいません
色々考えた末、このような形になりました。
やはり冴木くんの救済するのは正直難しいです。

ですが、少しでも幸せになってほしいなと思います。
またね、とさせたのはアネモネ花言葉の意味合いから
【希望】という思いでつけました。
たぶん、もし再会なんてありうるとしたら
他の執筆者様が描いてるような転生ものなのかなと思います。


それか、罪を犯す前に、
母親を亡くす以前に市香ちゃんに出会ってたらなにか変ってたのかなとも考えました
なにはともあれ、私の自己満足なカラマリのSSはここまでとさせていただきます

納得いく方もダメ出しされる方もいるかとは思いますが
これが私の考える冴木くんと市香ちゃんのあり方になります


りょく

 

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